高名な棟方志功氏の版画が・・・。
カラーコピーと入れ替わっていたと発表したそうです。
偽物とすり替えるなんて、内部の者しかできなさそうな
犯行。しかも3年も隠ぺいしていて、展示中に来場者から
指摘されて公表したとか。
ガキんちょの頃は何故か渋好みでw、棟方氏の生命力に
溢れる版画も大好きでした。
子供のころ、うちには図鑑のような分厚いハードカバーの
絵本や童話やら沢山買い揃えてあって、よく読んでいまし
た。その中で鬼子母神のお話があり、挿絵が版画タッチの
絵で、子供心にひときわ強い印象がありました。
思い出した…。もしかしたら、滝平二郎氏の切り絵だった
かも。でもご両名の名と鬼子母神を組み合わせて検索をか
けてもあの絵は出てこなかった。
インドで1000人の子の母であったハーリティーが次々に
人間の子をさらっては食べ、人間に恐れられており、見か
ねた釈迦が彼女の末の子を隠した。半狂乱になって探し回
るも見つからず、釈迦にすがると、「大勢の子を持つ貴女
でさえ子供ひとりのためにこんなに悲しんでいる。ならば
たった一人の子を失った人間の悲しみはどれほどか」と諭
された。末の子は戻され、彼女は仏に帰依した。
そうしてハーリティーは安産・子育ての神、鬼子母神と
なった。というお話です。
記憶はかなり薄れましたが、モノクロームの見開きで、髪
を振り乱して子供を捜すハーリティーが大きく描かれてい
て、その苦悩の姿に心を打たれたものでした。
うちの親は本なんか読まないし、一度も読み聞かせなんて
してもらった事はないけれど、内向的で本好きだった私は
どんどん一人で読んでいました。学校の図書室も大好きだ
ったなあ。情緒教育には本当に有難く、役に立った。
形だけでも揃えてくれた親には感謝あるのみです。
国や自治体が文化教養面で色々な後押しをするのは世の
流れ。それが興行面・経済効果と一体ならなお良し。
だけど・・・こういう恰好良くない内情を見せて欲しくな
いな・・・。
盗まれたのも情けないが、不祥事が起こった時の企業の常
としての隠ぺいはさらに情けなかとです。
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